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すし(鮒鮨・寿司……)の製法は本来、季節の温度差や湿度の変化を活用し、自然界の微生物による乳酸菌や酵母菌などの発酵技術を応用して、旨昧を引き出したものである、といわれています。


 いつ頃からすしが作られたのかは定かではありませんが、 発祥地は東南アジアの山岳盆地で水田農耕に従う稲作民族が、季節によって大量 に獲れる淡水魚(川魚)の保存・貯蔵の必要から、塩や米飯を使って考え出されたとされています。 この製法はその後、中国大陸から朝鮮半島を経て稲作の技法とともに日本へ伝わり、現在食べられているお酢を使って作る握り鮨や押ずしなどの原形となった、というのが今や定説のようです。

 独特の香りと複雑な昧わいで知られている「鮒すし」は、中国・揚子江の源流付近で考え出されだ保存食で、日本にはいってきた当初は、九州宗像地方や岐阜県美濃地方などで盛んに作られていたようですが、現在では、滋賀県の琵琶湖周辺で作られるだけの貴重な伝統食となりました。

 琵琶湖の近江高島という所に紅葉浦という浜辺があります(九六年に「全国渚百選」に選ばれました)。 この沖合で獲れるフナ(似五郎鮒)を「紅葉鮒」といって、江戸時代の料理人たらは明石の桜鯛、大和の錦鯉とともに珍重したようです。
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『日本の老舗と食文化バックナンバー』
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