伊達の地鶏「川俣シャモ」

川俣シャモ

強烈なうま味と、さっぱりした味わいが共存。 弾力に満ちた食感と、長く続く肉の余韻が、プロの料理人を唸らせる。

弾力のある肉に歯を立てると、口中に広がるうま味の海。かといってくどすぎるわけではなく、どちらかといえばさっぱりした後味も魅力。「川俣シャモ」を味わった後、「思わずもうひと口食べたくなる肉だ」と評する人が多いのは、そんなバランスのとれた味わいだからでしょう。

鍋でじっくり煮込んでも、炭火で軽く塩焼きしても美味。脂肪分は少なく、肉としてのうま味が濃いだけでなく、肉質は柔らかいにも関わらず、口に入れた瞬間に肉の体積が膨張したかのような錯覚にとらわれて、噛み応えも満点。舌の両脇をがっちりと捉える鶏特有のうま味が、口を動かすたびにジワリジワリと溢れ出します。そんな味わいがプロの料理人の間で噂を呼び、多いときには、「ミシュランガイド」で星を獲得している店の20軒以上が「川俣シャモ」を使っているといいます。また、東京は人形町に本店を構える鶏料理の老舗で、ランチ限定の親子丼を味わうべく、常に行列が耐えない「玉ひで」でも、古くから川俣シャモは使われています。

特に多くの料理人が「まるでブレスの鶏のようだ」と評価する黄色みを帯びた皮は、臭みがまったく無く、うま味だけが際立ち、しっかりした噛み応えであるにも関わらず、口の中にいつまでも残ることはありません。

そして皮に含まれる脂も実に良質かつ上品。
もも肉や手羽元の、濃いクリーム色の皮の部分を少々切り取りフライパンに乗せ、弱火で静かに炙ると溶け出してくるその脂は、乳製品から絞り出されたかのように濃厚な香り。その脂で川俣シャモの正肉を焼けば、上品だけれど野趣味溢れる「川俣シャモ」の味わいを存分に楽しめることでしょう。

川俣シャモは、福島県東部の阿武隈山地に位置する伊達郡の川俣町で、1987(昭和62)に肉用として出荷が始まったブランド鶏。古くから闘鶏用として飼われてきた軍鶏が有名だったこの町は、町おこしの一貫として1983(昭和58)年に肉用シャモの研究を開始、現在は「川俣シャモ研究会」に加入する17軒の農家が飼育を行い、第三セクターとして設立された「川俣町農業振興公社」が、生肉のほか、燻製やシャモ鍋セット などの加工品の生産・販売、販路を拡大してきました。
 例えば名古屋コーチンのように、雛の状態で出荷され、全国各地の肥育農家が育てられるケースとは異なって、川俣シャモは、必ず肉にしてから出荷することになっています。つまり川俣シャモを育てているのは、全国でもわずか17軒だけ、そのうちで雛の飼育「育雛(いくすう)」まで行うのはたったの3軒だけなのです。

第1のポイントである「血統」

川俣シャモの場合、創業当初は純系のシャモ「赤笹(雄)」に「ロードアイランド レッド(雌)」を掛け合わせた二元交配でスタート。ちなみに、あの「比内地鶏」も、「比内鶏」と「ロードアイランドレッド」の掛け合わせ。味の濃い、煮込みやスープなどに向いた肉質に仕上ったそうですが、味はとても良い反面、脂の付きが芳しくなく、焼き物には適さなかったのです。

「そもそもシャモとはタイ原産の、気性が激しく、筋肉質でアスリート体型な鶏。川俣シャモでも親鶏のシャモの入れ替えが定期的にありますので、ときどき試食で食べる機会はあるのですが、もう雄は長時間煮込まないと食べられないくらいに肉に弾力があるのです。まるでゴムのような食感なんですね。肉の色も赤というより、紫。……ただねぇ味はホントに濃いんですよ」と言うのは、川俣町農業振興公社の渡辺良一さんです。

そこで、シャモの血統をさらに薄めるために、まずは身体の大きな赤鶏系の肉専用種「レッドコーニッシュ(雌)」を、純系の「シャモ(雄)」と掛け合わせ、そこから生まれた雄の鶏に「ロードアイランドレッド(雌)」を掛け合わせるという三元交配に辿り着きました。それが1997(平成9)年のことです。
「この品種改良を行なった瞬間に、脂の乗りがよくなって、焼いて美味しい鶏になったんです。そして皮がとても美味しくなりました」。

ちなみに同じ「シャモ」でも、「川俣シャモ」は「地鶏」ですが、有名な「東京軍鶏」は「地鶏ではありません。なぜなら「東京軍鶏」は“平飼い”ではなく“ケージ飼い”だから。話を進める前に、「地鶏」の基準を整理しておきましょう。
(1)素びな(雛)が、日本在来種由来の血統を50%以上保有していること
(2)平飼いで80日齢以上飼育したもの
(3)28日齢以降、平飼いで飼育したもの
(4)28日齢以降、1平米当たり10羽以下で飼育したもの
というわけで、川俣シャモはもちろん「地鶏」です。

川俣軍鶏の交配様式

第2のポイントである「飼育日数」と「飼育環境」

話が逸れましたが、第2のポイントである「飼育日数」と「飼育環境」について見てみましょう。
川俣シャモの場合には、産卵のための親鶏の飼育と、出荷のための雛の飼育の大きくふたつのフェイズに分かれています。

親鶏は、雄10羽に対して雌100羽が同じ鶏舎に入れられます。そこで産卵を繰り返し、孵化した雛が「川俣シャモ」となるわけです。雄が生後120日で生殖活動を始め、雌は160日で産卵を始める親鶏は、約1年間産卵を続け、生後450日を目安に交代します。

鶏舎を訪れてみると、鶏特有の鳴き声や羽音は想像通りだったものの、意外な点がひとつありました。とにかく嫌な臭いが皆無なのです。実は川俣町では、飼料や鶏舎の床に敷き詰める米ヌカに、有機物を醗酵させ、臭いや病気のもとになる菌を浄化する力を持つとされるEM菌(有用微生物群)を混ぜています。これにより、鶏の糞尿が腐敗して嫌な臭いはまったくなく、風邪などの病気を患う鶏も激減したといいます。
 ちなみに、役目を終えた親鶏は、肉団子などの加工に回されます。確かにそのままで肉を食べることは出来ないのですが、肉からは実にいいだしが出るのだとか。歳をとればとるほど、だしの味は良くなるそうで、親鶏を狙う飲食店も少なくないといいます。

川俣シャモとして出荷される雛はどのようにして飼育されているのでしょうか。
 まずは鶏舎。ケージではなく開放鶏舎で、鶏は舎内を自由に動き回っていました。1平米あたり6〜8羽と、地鶏の基準である10羽を下回っています。肥育期間は109〜120日(地鶏は80日以上、ブロイラーの場合には50日程度)で、時間をかけて育てることで肉の食感とうま味が高まるのです。ちなみに120日あたりから生殖活動を始める雄も少なくないため、雄雌混合の場合には120日飼育するのが限度なのだとか。

「鶏もよく運動させると、筋肉の中にアミノ酸が増えるといわれていますし、鶏にとってもストレスフリーなのです」と渡辺さん。

仮に鶏にストレスがたまると、鶏同士がお互いに傷つけ合ったり、散らかした衛生状態の悪い餌を食べてしまったりと、弊害も増えるのです。
 本来、川俣シャモは天候の良い日には屋外で放し飼いをしてきたのです。が、2011年3月以降は、屋外での放し飼いは行っていません。
 というのも、福島県の中部に位置する川俣町の「山木谷地区」は、距離としては40kmほど離れているものの、福島第一原発の事故の影響で計画的避難区域に指定されているから。外に出し、日光を浴びながら草をついばむことが、川俣シャモの味の決め手ではあったものの、鶏は土を食べる習性があるので、放射性物質を体内に取り込まないようにするために、屋外には出していないのです。

 事故のあと、川俣シャモの存続を危ぶむ関係者も少なくなかったといいますが、出荷時には必ず福島県農業総合センターで緊急時放射線モニタリングテストを受けており、今まで「検出せず」という結果が続いています。

第3のポイント「飼料」

第3のポイントである「飼料」も川俣シャモの美味しさを支えています。
 川俣シャモの飼育は雛を育てる「育雛(いくすう)」と、出荷向けに大きくする「肥育(ひいく)」の2段階に分かれています。育雛期は熱量の高いブロイラー向けの飼料を与えるものの、肥育期に与える飼料は、トウモロコシをベースに川俣シャモ専用に配合したもの。脂と筋肉のバランスをとりたいので、カロリーは抑えめ。程よく運動を続けながら育つので、脂が付きすぎることなく、雄も雌もともに出荷時には2kgほどに成長します。

 先ほど、ブレス若鶏の皮が黄色いと書きましたが、実はその皮の色の素はトウモロコシなのです。
 ちなみに、雄と雌とではどんな違いがあるのでしょうか。
「雄は噛み応えがあって、肉汁に含まれるうま味が濃いんですが、筋繊維が粗いのが特徴です。一方で、雌は鍋料理とか串焼き向き。脂の乗りが良いんですねえ。皮も黄色いので、焼いたときに美味しいんですよ」

実際にすべてを試食してみると、雌の胸肉の噛み応えとうま味の濃さが秀逸。とはいえ、もも肉の塩焼きも捨て難いのです。渡辺さん曰く「せせり(首の肉)は、鶏が最もよく動かす部分。うま味が濃くてうまいんですよ」。

今回は取材時に、雌の半身をすべて試食する機会があったので、以下にレポートさせていただきます。

思わずもうひと口食べたくなる肉

胸肉

胸肉をいただくなら、なんといってもタタキ。熱湯に潜らせて約10秒、周囲が白く変色したらすぐに取り出し薄くスライスして、タマネギやミョウガと一緒に醤油でいただくと、川俣シャモの魅力がストレートに味わえるはず。噛み締めると歯の間からむちっとした肉が溢れて、口中にうま味が行き渡ります。
また、皮を少しだけ剥ぎ、細かく刻んで加熱して得た油で、塩をした胸肉を皮目から焼いても美味。
中心がほんのりとピンク色を帯びた肉を一切れ口に含めば、皮からうま味が滲み出すと同時に、肉からは噛むたびに肉汁が溢れ出します。しかし味わいは常にさっぱりで“味の濃い(脂こくない)胸肉”です。

手羽先・手羽元

鶏舎で常に羽ばたき続けている川俣シャモ。ゆえに、手羽系の肉のうま味は、他の部位と比べるととにかく濃い、味が濃い。 炭火で炙って口へと運べば、まるで牛の脂のようなうま味を含んだ香りが、口の中に立ち上ります。 筋肉繊維の間から、延々とうま味が滲み出し続けるので、飲み込むタイミングを逸するほど。 ちなみに、少々意地汚い話ではなはだ恐縮ですが、味わった後の手羽先と手羽元は、捨てることなく小鍋へ。炭火で焼いた後の骨にも関わらず、少々のお湯で煮出せば濃厚なスープが出来上がります。

ササミ

濃いオレンジ色をしたササミ。軽く湯引きして食べれば、もはや味付けの必要が無いくらいに味も濃いのが特徴です。 口に入れた瞬間から、舌に全体をみちーっとした食感が包み込み、うま味が口の中を躍動する感じ。梅酢をほんの少しだけ垂らしても、鶏のうま味がさらに際立ちました。

もも肉

口に入れた瞬間から、舌の両脇を刺激するうま味の嵐。ポイントは肉汁です。塩焼きにすれば、ブリッとした野性的な食感の間から肉汁が弾け出し、フレッシュな脂がうま味となってなだれ込みます。だしで煮れば、鍋中にうま味が行き渡り、そのうま味を吸い込んだ大根などの根菜類は、絶品。親子丼にすれば卵がうま味を包み込むので、これも美味。煮汁は必ずごはんにかけましょう。

(文・小林淳一)

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