赤貝と言えば、やはり閑上。
閑上は、宮城県名取市にある海岸沿いの一部の地名です。
気仙沼の事務所からは距離があるため、まだ一度も足を運んだ事はありませんでしたが、
閑上に向かう途中、仙台市の海岸沿いの荒浜地区を通った際、異常に気が付きました。
津波の被害があった事は知っていましたが、気仙沼や南三陸とは違い、360度見渡しても、
山や丘など高台らしいものが一切ありません。
閑上大橋を渡り、名取市に入ってもやはり同様で、うっすらと目を細めて内陸側を見ると、ずっと遠くに高台らしき密林が見える程度です。
橋を渡りすぐ左手に向かうと閑上港。右手が名取市内ですが、想像以上に建物が残っておらず、元の街並の痕跡が殆どありませんでした。
この状況で、よく漁師さんたちは海に戻って来れたと思います。
というのは、早い時は深夜1時、2時に出漁したり、陸の作業をするにも海の状態を確認するにも、海から遠いと仕事の効率に大きく影響します。
南三陸では高台とはいえ、海まで数分程度の距離から通う事ができます。
偶然出会った漁師さんに話を聞くと、船の造船が間に合わず、多くの漁師さんが船を待っている状態だという事ですが、北海道など他県から中古船を手に入れた漁師さん達は、遥か遠くの高台の仮設住宅から、毎日数十分の時間を掛けて通っていると言います。
ただ、瓦礫に海が覆われた南三陸と違うのは、陸地の内部まで瓦礫が流れた為、海面は思った以上に綺麗だったそうです。
海岸沿いの陸地も、他地域よりは瓦礫が少なく、比較的早く復旧しました。
因みに、この一帯で最も高い山は、日本一小さいと言われる「日和山」だとの事です。
一瞬何処かと思いましたが、何となく目に入っていた電柱より低い山でした・・・