少数精鋭の雄勝りんご生産同志会
秋田県湯沢市旧雄勝町は、東に奥羽山脈、西に鳥海山、南に神室山と、三方を山に囲まれた横手盆地の最奥地に位置し、
積雪が2.5m〜3mに達することもある豪雪地帯です。
同志会は首都圏生協へ出荷していた果樹農家数名により、昭和47年に組織されました。
常に栽培技術の向上に努め、果実生産の安定化と産地定着、環境保全型及び資源循環型の農業を目指し、地域に根ざした継続可能な農業を志すことを
主旨として、少数精鋭で産直一筋に歩んできました。
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雄勝りんご生産同志会 サクランボ生産者
代表の小野田政広、 最上修二、 吹谷幸男、 高橋洋二、
高橋弘一の、さくらんぼの木々は標高300〜350mの山中に点在します。
他産地との違い(標高と土壌)
さくらんぼ等の果樹類は、扇状地のように水はけが良く、昼夜の寒暖の差が大きい場所が適地とされていますが、同志会の園地は標高300〜350mの人郷離れた森林の中に点在しています。
園地の土は粘土質の赤土で、pHが約5.5とサクランボ生産に適した土壌酸度ですが、扇状地の礫土と比べ水はけが悪く、土中に含まれる酸素が少ないのが特徴です。
ある意味、リスクの高い場所で生産していますが、根に適度なストレスがかかることから、逆にサクランボの品質に好影響を与えると小野田代表は話します。
言うまでもなく、標高は平場の扇状地と比べ高いことから、昼夜の寒暖差も大きく、糖度が高くなる条件も十分に揃っています。実際、佐藤錦の場合、平均糖度は24度を超えます。
除草剤不使用、農薬の使用量3分の2
病害虫発生等を抑えるための雑草防除は、土壌に対して有害な除草剤を一切使用せず、ブッシュカッターなどで刈り取って除草しています。非常に手間のかかる作業ですが、設立以来、実践し続けています。
また、農薬の使用量を下げることが極めて難しいさくらんぼ栽培でありながら、慣行栽培の3分の2程度まで、農薬使用量を削減しています。
(写真右:小野田さんご夫婦 愛犬がさくらんぼを鳥害から守ります)
葉取らずさくらんぼ
一般的な栽培では、さくらんぼを赤くする為に、さくらんぼの周りの葉を摘みますが、当会では、葉を摘みません。
確かに色むらは出来ますが、当然、果実に近い葉の光合成の蓄積がさくらんぼ集約するので、味はずっと良くなります。また、葉を摘まないので、さくらんぼの木のダメージも少なくて済みます。
早朝収穫と手選別と検品
当会では、消費者へ高品質なさくらんぼを供給する為、日の出前の早朝4時から収穫し、日が昇り、気温が上がってくる前に収穫を完了します。
収穫後の箱詰めに際して、一般的に使われる選果機を使用しません。理由は選果機を使うと、さくらんぼが転がり、痛みの原因になるからです。
また、出荷時に無作為に選んだ箱を、会員全員で検品する体制を取っています。
全国的には無名なさくらんぼ産地ですが、そのこだわりの味は十分に全国に通じます。まだ木が10年前後と若いので、これからの成長が楽しみなさくらんぼ産地です。