クリスマスを待ちながら少しずつ食べる楽しみ
ドイツ生まれの伝統菓子
「シュトーレン」

起源は14世紀ドイツの献上品
シュトーレンはドイツ生まれの伝統的なクリスマス菓子で、クリスマスの4週間前から始まる「アドベント(待降節)」の期間に、薄くスライスして毎日少しずつ食べます。
ドイツ国境のアルザス地方をはじめとしたフランスや、スイス、オーストリア、オランダなどでも食べる習慣があり、11月に入ると菓子店やベーカリー、クリスマスマーケットなどに一斉に並びます。
その起源は14世紀、1329年にドイツ・ナウムブルクの修道院に献上された記録が最も古いとされています。当時はアドベント期間中にバターや牛乳を使用することをカトリック教会が禁じていたため、生地は小麦粉・水・酵母・油だけで作られた味気ないものでした。その後、15世紀末にバターの使用が認められたことをきっかけに改良が進み、16〜17世紀にはドライフルーツやバターをたっぷり使った、現在のようなリッチな味わいの菓子へと発展しました。特にドイツ・ドレスデンでは盛んに作られるようになり、今日ではEUの地理的表示保護の対象である「ドレスナー・シュトレン」として伝統が受け継がれています。
白い楕円形は「おくるみに包まれた幼子」
シュトーレンの材料と作り方はパンに似ています。小麦粉、イースト、牛乳、砂糖、バターに、シナモン、カルダモン、ナツメグなどのスパイスを加えて生地を作り、発酵させたら、ラムやブランデーに漬け込んだドライフルーツ(レーズン、サルタナレーズン、オレンジピール、レモンピールなど)とアーモンドなどのナッツを練り込みます。型を使わずに手作業で生地を成形して焼き上げ、熱いうちに溶かしたバターをたっぷり塗り、粉砂糖を厚くまぶします。中心部にマジパン(アーモンドペースト)が入るものもあります。

こうして作られる伝統的なシュトーレンは細長い楕円形で、その姿は白いおくるみに包まれた幼子イエスを象徴しているとされます。
寝かせるほどに味わい深くなる
シュトーレンは時間が経つほどに生地とフルーツの風味がなじみ、作りたてよりも味わい深くなります。最低でも1週間は寝かせてから食べたいものです。
そのまま食べるのが一般的ですが、軽く温めるとスパイスの香りがより引き立ちます。切るときは中央部にナイフを入れて1cmほどの厚さにスライスして取り出し、残った両端を合わせてラップで包み、さらに密閉容器に入れるなどして乾燥を防ぎます。保存は冷蔵庫ではなく10〜18℃の冷暗所が最適。冷凍保存も可能です。

日本で紹介されたのは1960年代後半
ドイツで700年近い歴史を持つシュトーレンですが、日本で一般向けに紹介されたのは1960年代後半に福岡の洋菓子店が販売したのが最初期とされます。当時はこの菓子へのなじみがなく受け入れられにくかったものの、本格的で多様な世界の料理が浸透するようになった2000年代以降に少しずつ知名度を高めていきました。
現在では日本ならではの素材(柑橘、抹茶、栗)を使ったりと独自にアレンジされたシュトーレンも登場しています。伝統を守るもの、革新に挑むもの、それぞれのシュトーレンからお気に入りを探してみてはいかがでしょう。

複数の配達期間が選べます
11/15出荷 フェルダーシェフ『オリジナル・シュトレン』 1本 約400g ギフトBOX入り ※常温
4,200円(税込)
- 販売中 在庫数 10
- フェルダーシェフ(田...