鳥羽の海を愛する名物親父と
明治創業の老舗醸造所が手掛ける
海藻酢
これまでにない旨味と風味を持つお酢

三重県鳥羽市の漁師と明治二十年創業の老舗醸造所が9年の歳月をかけて作り出した、これまでにない新しいお酢『海藻酢』です。
「鳥羽の海藻をもっと身近な形で伝えたい」と漁師が思いを込めて、名産の「アカモク」と「メカブ」から、生み出しました。
旨味高い海藻から生まれた酢は抜群の味わいで、コクのある美味な酢に仕上がっています。
伊勢神宮への奉納・海女文化と言った、三重県鳥羽の漁業において受け継がれてきた「海藻」は重要な産物ながら、近年消費量が減っていることが課題でした。
「『海藻酢』を新しい名物として広めることで、海藻の可能性を未来へつなげていこうとしています。
鳥羽の海の豊かさを広める
やま栄水産の 山下栄造氏

この海藻酢に取り組むのが、鳥羽市浦村の漁師 山下栄造氏です。
豪快な性格と鋭い観察眼、誰も真似をしない独自の発想力で地域でも異彩を放つ男。一度会ったら忘れられない存在感を持ちます。
独自のチャレンジにより数十年ぶりに「鳥羽での真珠養殖」を成功させました。
鳥羽は真珠養殖発祥の地ですが、環境の変化により養殖が不可能になったと言われてきました。山下氏の成功を受けて、かつてはトーマス・エジゾンも魅了した「鳥羽の真珠」が復活するかもしれないと、地元も沸いたのです。


山下氏が長年かけて挑んだのが、地元の海藻を使った新商品開発です。鳥羽の海に自生するアカモクと、養殖が盛んなワカメのメカブ。その用途を広げようと行きついたのが誰も考え付かなかった新商品「海藻酢」なのです。
伝統ある醸造所とともに
長年かけて実現

三重県津市にある明治20年創業の山二造酢。立派な梁に支えられた蔵には長年の酢造を支える多くの酢酸菌が棲んでいます。筵や木桶を使った昔ながらの製法を継承し、他ではできない深みのある酢を造っています。
自社製品だけでなく、全国各地の依頼に基づきリンゴやブルーベリーはもちろん、ネギやトマトまで、食材であれば何でも酢に変えるという技術を持っています。

ついに生まれた「海藻酢」

実に9年以上の月日をかけて、ついにアカモク酢・メカブ酢が完成しました。
海藻類は塩分を多く含むため酢にはならないと考えられていましたが、山下氏と山二造酢はあきらめず取り組みを続けついに完成したのです。
ドリンクにも料理にも
旨味あふれる海藻酢が引き立つ

海藻の持つ特有の旨味により、実に味わい深いコクのある酢が生まれました。
酸味がありながらまろみを持つため飲みやすく、日々のドリンク酢にもおすすめです。水で割るととても飲みやすく、海藻ならではの旨味を感じます。
魚はもちろん肉・野菜との相性も抜群で、酢の物やカルパッチョ、餃子のたれなど用途が広くどれも一味違う仕上がりになります。
特に海藻酢とオイルを1:1で混ぜて塩で整えたドレッシングは、おすすめです。シンプルながら野菜の美味しさを引き出します。
名物漁師 × 海藻 × 老舗醸造所
から生まれた新たな三重名物

まだまだ生産できる数は少ないですが、山下氏は情熱を燃やしています。
そして、海藻類は特別な栄養素を含みます。特にメカブやアカモクのネバネバ成分は食物繊維の一種「フコイダン」として知られており、それをお酢という形で摂取できるということで地元の商工会議所では「新しい名物に!」と期待をしています。
うまいもんドットコムもこの新しい取り組みを応援します。
文:八尾昌輝、写真:八木澤芳彦