長い歴史を刻む 伊豆半島 西浦のみかん 四百年以上前の小蜜柑の自生記録が残る、温暖な伊豆半島 享保年間、暴風で西浦に漂着した九州の船から伝わった、西浦のみかん栽培 小ぶりながら、濃厚で美味な 寿太郎みかん の発祥の地 綿々と受け継がれた栽培技術が甘いレモンをも生みます。
西浦みかん産地の歴史
西浦は伊豆半島の西の付け根に位置し、古くからみかんの産地として知られています。その歴史は古く、今から450年程前に、伊豆・駿河の国々に自生樹(小蜜柑)があったことが確認されています。
寛永9年(1633年)には小蜜柑が年貢として納められていた記録史も発見されています。享保時代、九州の船が暴風で西浦に漂着し、漂着した船の船人を救助した返礼にと『みかん』を分け与えられ、その『みかん』の種から苗木を増やし、今の西浦みかんの基盤が完成したと言われています。
文政3年(1820年)、温州みかんも導入されましたが、本格的な栽培は明治に入ってからと言われています。
昭和に入り、西浦久連にデンマークの国民高等学校を模範とした興農学園が開校されました。初代理事長には旧五千円札の新渡戸稲造が就任したことは有名です。
その頃を境に、荷造り用運搬機のオートメーション化や、牛車に替わり三輪車・四輪車等が積極的に使われるようになり、生産量も爆発的に伸び、西浦みかんの名は全国に知られるようになりました。
寿太郎みかんの発祥の地
昭和50年、山田寿太郎氏が青島温州の木より果実(現在の寿太郎温州の元)を発見。他の果実より風味が優れていることから、改良に改良を重ね、『寿太郎温州』と名付け品種登録をし、昭和59年に登録品種として認可されました。
青島種より甘さと酸味のバランスがよく、食味が濃厚で果汁が豊かです。糖度は12〜13度と高く、小ぶりですが、果皮が薄く、浮き皮が少ないという特徴を持っています。
寿太郎は『みかん』にしては遅めの年末年始頃に収穫します。収穫後、約1か月の貯蔵により、風味・甘みを増します。果皮にしわが入り、見た目は良くないこともありますが、樹上完熟後、木箱貯蔵により味が極まった寿太郎は大変に美味です。
幻の甘いレモン その名はレモネード
西浦のレモン畑で誕生した『レモネード』。傷や擦れなどが多く出る為、栽培が非常に困難で、現在、生産農家は増えてきていますが、少数です。 レモンとグレープフルーツの中間的な味わいで、酸味のある柑橘が好きな方には一押しです。ジュースにしても爽やかな風味は魅力あります。もちろん、料理に使っても良いですが、生食でも十分に美味な甘いレモンです。