こみつ 究極の蜜入りりんご | 青森産リンゴ通販
こみつの誕生と
苦難の歴史
こみつの品種名は高徳(こうとく)です。こうとくの品質を高め、究極の蜜入りりんごに仕上げたものが『こみつ』です。(「こみつ」はこみつの会の登録商標です)
青森県のリンゴ生産の発展に絶大な功績を残した故木村甚彌氏が、青森県試験場長を定年退職後に品種改良し、没後の1985年に品種登録されたのが『こうとく』です。
美味なものの、蜜の入り具合などの品質のばらつきと小玉であるが故に、一般市場では評価されず、農協でも品種の切り替えを奨励したこともあり、数年前には消滅の危機に瀕していました。
17年にもわたる、長年の津軽石川農協の粘り強い販路開拓と品質管理の徹底が実り、ようやく舌の肥えた消費者の支持を得ることで、こみつは絶滅の危機から復活することになります。
こみつの家系は、そうそうたる面々が!
こみつの遺伝子を解析すると、両親は『ふじ』と『ロム16』のようです。
『ロム16』の両親は、かつての有名品種『リチャードデリシャス』と『111号(※国光とデリシャスの交配種)』です。
そうそうたる家系からも、『こみつ』の血統の良さを想像させます。
こみつは
樹上で完熟させた
究極の葉取らず林檎
私(食文化・萩原)が訪ねたのは、青森県弘前市で、こみつを大切に守り続けてきた、工藤さん親子の園地です。
工藤さん(父)は多くの農家が『こうとく』を切って、他品種に切り替える中、その才能を信じて、大切に守ってきた『こみつの恩人』のひとりです。
こみつは色づけの為の葉摘みはしません。たっぷりの葉が盛んに光合成をして、こみつに栄養を貯めこみます。
また、玉数はあまり少なくしないで、小玉で強烈なインパクトのある蜜入りりんごに育ちます。
葉取らず栽培なので、葉の陰になった果皮の色むらはありますが、見た目よりも味重視なのが『こみつ』です。
写真:食文化 萩原(左)と生産者の工藤さん

お尻の部分で熟度をチェック。過熟で落ちる寸前まで待ちます

たくさんの葉が果実に蜜のもとを送ります

蜜入りと言うより、蜜だらけの方が正確
樹上で完熟させて
蜜入りを極める
先ずは、こみつの糖度を16度前後まで高め、そこから蜜を極め、落果の頃まで樹上で完熟させてから収穫します。
その後、糖度14度基準で選果されます。蜜は実は甘くないので、蜜が豊富に入る頃には、若干糖度は下がります。
収穫された『こみつ』は『こみつ』を名乗る為に、厳しくチェックされ、小玉で蜜がたっぷり入った美味なものだけが『こみつ』を名乗れます。
つまり、究極レベルに達していない『こうとく』は『こみつ』を名乗ることはできません。
樹上で完熟させる間に、落果と鳥の食害が避けられないので、味を極める為に収穫量はどうしても少なくなります。
それだけ貴重な『こみつ』です。
こみつの
蜜はすごい!
こみつは切らなくとも、中の蜜の入りを想像できます。強い電灯や太陽で透かすと、蜜がたっぷりと入っているので、中が明るく見えます。
輪切りにしてみれば、一目瞭然!どんな方でも、間違いなく感動すると思います。まさに圧巻の蜜とはこのことです。多いものは断面積の8割近くまで蜜が占めます。
こみつの香り
フルーツバスケット
こみつは贈り物にも最適です。
記憶と感覚に残る、芳醇な香りのプレゼントは喜ばれること間違いなし!
小玉であるが故に
人気沸騰!
香りも素晴らしい!
こみつの果肉は黄色です。
14度程度の糖度に適度な酸味が心地よいです。
食感も程よいかたさで、小玉でもあるので、非常に食べやすいです。大玉のリンゴだと、一人で半分でも多いと思うこともありますが、こみつの場合、二人で1玉であれば、『もう少し食べたいな・・・』という後味です。ここが重要です。食べ飽きがしないので、非常に高いリピート率を誇るのが『こみつ』です。
まさに圧巻の蜜とはこのことです。多いものは断面積の8割近くまで蜜が占めます。
ついに解明!
蜜入りこみつの
おいしさの秘密は
香りにあり
前述の通り、蜜自体は甘くありません。
糖度は、蜜の無いりんごと大差無いのです。実際、傷みやすくなる生理障害として欧米では嫌われてさえいます。
一方、『こみつ』のような蜜入りりんごは、「甘くておいしい」と日本を含むアジア圏で人気です。
この人気の理由が長年の謎だったのですが、農研機構が小川香料株式会社及び青森県産業技術センターりんご研究所と共同で行った研究でついにわかりました。
参照: 2016年3月 農研機構プレスリリース
「蜜入りリンゴのおいしさは香りにあり」
http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/narc/061985.html
エチルエステル類のちから
蜜入りりんご「ふじ」・「こうとく(こみつ)」に香気成分として多く含まれるエチルエステル類が、 りんごの風味をよくするために重要な成分であることが解明されました。
エチルエステル類はフルーティ、フローラル、スイートなパイナップルに似た香りを持ちます。
実験では、同じ糖度のりんごでもこの香りを感じられる時に、より好ましいという評価がでました。
つまり、食べる時に広がる蜜の香りが、糖度を超えたおいしさの謎の答えです。
これまで果物の「おいしさ」は、糖度により評価されてきました。しかし『こみつ』の詰まった箱を開けた瞬間、誰もが魅惑されるあの「香り」もまた、おいしさを感じる上で、とても大きな役割を担っているのです。
販売開始から
十二年を超えた
こみつ
私が最初にこみつの畑を訪ねたのは2008年10月23日。出荷としては、2019年で12年目になります。
当時、「量販店では出来損ないのふじの様なリンゴは売れない!って言われるんです。」という農家の話を聞いたのを思い出します。
こんな素晴らしいリンゴ、何とか売って、農家に喜んでもらいたい・・・
そう思い続け、早いもので12回を超える収穫を迎えます。
こみつは視覚と嗅覚と味覚の三つの力で、凄いリンゴを食べた思い出を作ってくれます。十年を超えても浮気しない人が多くいるリンゴ、そんな魅力あるリンゴはそうそう出会うことはないです。プロデューサー冥利に尽きるリンゴが『こみつ』です。
当時と最近のこみつ畑の写真を見比べると、こみつは変わらないけど、私は随分と年期が入りました。(苦笑)逆を言えば、果樹の栽培は実に長い時間が掛かります。10年を費やして、やっとここまで来たわけで、そう簡単には、こんなスター選手を育てることはできません。
過去に召し上がったことがある方にも、また、こみつ体験したことない方にも、今年のこみつ体験をおすすめします。きっと新しい思い出を作れるはずです。一度に食べきれる小さいリンゴは、ご両親にも喜んでもらえるはず。ちなみに、私の母も叔母も大好物です。
文:㈱食文化代表 萩原章史