奈良県の郷土食 お取り寄せグルメ「なら物産展」
奈良県の郷土食
奈良に伝わる食文化・特産品を紹介します
近畿地方のほぼ中央に位置する奈良県は、海岸に接しない内陸県。吉野山地が東西70㎞、南北80㎞にわたって広がり県土の2/3を占める。吉野川・十津川などの渓谷が南北に流れ、1000m級の山がそれに並行して山脈を形成している。
奈良県は、蘇我氏・推古天皇・聖徳太子の時代に大和朝廷の中心地として政治・文化の中心地として栄えた。飛鳥・奈良時代には遣隋使・遣唐使や渡来人によって多くの文化や技術が持ち込まれ、現在の日本の食文化の基礎がつくられた。清酒や漬物、日本茶、素麺、饅頭など奈良が発祥とされる食べ物は数えきれないほどある。平安遷都後は、強い勢力をふるう豪族がいなかったため、農民たちは支配されることが少なく、自立的に農業を行い技術を磨いていった。農業技術の高さは全国随一で、スイカの育種やイチゴの品種開発など技術の革新にも積極的だ。千年を超える歴史の中で培われてきた“日本の味”奈良県の郷土食、特産品をまとめて紹介する。
奈良県の郷土食、特産品
柿の葉ずし
かつて海が遠い奈良では海産物が手に入りにくく、貴重な食べ物だった。人々は試行錯誤の末、熊野灘で水揚げされたサバに塩を施すことで、東熊野街道を通って吉野川沿いの村々まで美味しいサバを運べるようになった。
「柿の葉ずし」は、酢で締めた塩サバを硬く炊いて握った酢飯の上に乗せ、柿の葉で包んでひと晩ほど重石をかけた押し寿司。柿の葉は殺菌・防腐効果があるだけでなく香りが良く、独特の風味が楽しめる。江戸時代中頃に吉野地方で、夏祭りのご馳走として生まれたといわれている。現在でも郷土食として地元民に愛されていることはもちろん、名物として観光客からも人気がある。
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三輪素麺
「三輪素麺」は、手延べそうめん発祥の地ともいわれる三輪（桜井市）で、伝統方法で作られている素麺。三輪で小麦栽培がはじまったのは3世紀頃。稲の裏作だったが、8世紀頃（奈良時代初期）に小麦の石臼による製粉技術も伝えられたことで栽培が広まった。一般に普及したのは江戸時代。水車を動力とした製粉機が誕生し、現在の製粉技術の基礎ができた。三輪素麺はお伊勢参りの途中で訪れた人々に人気となり、手延べの製法も播州、小豆島、島原へと伝わり、日本を代表する伝統食になった。
三輪素麺は、一般的な素麺に比べて非常に細かいながらもコシが強く、茹でても伸びにくい。奈良では一年を通して食べられており、夏は冷やして、冬は温めたダシ汁に入れて食べる「にゅうめん」が定着している。
「三輪素麺」について、
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奈良漬
「奈良漬」は、その名の通り奈良発祥の漬物で、野菜を塩漬けして複数回酒粕に漬け込んだ郷土食。歴史は古く、長屋王の屋敷跡から見つかった木簡に「加須津毛瓜（かすづけ うり）」と記したものがあり、正倉院文書には生姜や瓜の粕漬けが記されている。木簡は8世紀頃のものと考えられており、当時の粕漬は、どぶろくのような液体に瓜などの野菜を漬けたものだったと考えられている。当時、酒は誰でも醸造できるものではなく、「造酒司（みきのつかさ）」とよばれる国の機関で醸造されていた。粕漬も同様に都の貴族たちだけが食べられる高級食品であり、庶民には広がっていなかった。現在のような奈良漬けになったのは、室町時代。酒造技術の発達により、奈良漬の漬け床に欠かせない酒粕が酒の副産物としてできるようになった。豊臣秀吉や徳川家康にも献上されており、庶民に広まったのは江戸時代になってから。
御所柿
天皇の御座所で突然生まれた甘柿のルーツ。柿の記述は古事記や日本書紀にも散見されるが、かつて柿は全て渋柿だった。しかし室町後期頃に奈良の御所の地で突然変異により種なしでも成長過程で渋みが無くなる「完全甘柿」が誕生。それが「御所柿」である。その後各地へ広まっていった。様々な文献にその記録が記されており、献上品としても親しまれ、絹の食感、和三盆糖とも評されていた。しかし栽培が難しいことから明治期に誕生した富有柿への切り替えが進み、現在では何本かの樹が点々と残るだけという、幻の柿となった。御所柿の食べ頃は、果皮の色ではなく、果肉の柔らかさで判断する。常温保存で、皮にシワが寄りはじめ、手で割れるほど熟した頃が美味しい。
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注目の奈良食材
イチゴの最新品種「古都姫」
2021年に新品種として登録出願申請されたイチゴの新品種。濃厚な旨みと甘さが魅力の「古都華」と大粒の「珠姫」を掛け合わせて奈良県の生産団体トップベリーの大村佳伊人氏によって選抜・育種された。酸味がおだやかで甘さが際立つ美味しさと、平均30gになる大粒ならではの食べ応えが魅力。果皮はしっかりとしているため輸送性も良い。
「古都姫」について、
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