日本最古の栽培果実 柿の奥深い世界
個性あふれる全国各地の
「柿の在来品種」を食べ尽くす!
神から与えられた食物、柿
柿の学名「Diospyros kaki Thunb.(ディオスピロス・カキ)」のディオスピロスとは、神から与えられた食物。神々が召し上がる果物のように美味という意味。命名したのは、スウェーデン人の医者・植物学者のカール・ツンベルク。1775年、オランダ商人とともに長崎の出島に上陸、翌76年に、徳川家治公に謁見のため上京するその途上で日本の植物を調査・採集した。柿が見出されたのは箱根での調査の折である。柿が寺社の境内にあったことから、神の食物、を意味するDiospyrosの名前を付けた、との逸話が伝わっている。日本各地には地域の気候風土に適合した、千以上もの柿品種が存在する。
十世紀に編纂された延喜式に登場する柿
律令の施行細則である延喜式には、宮中行事や神事の供物について詳細な記述がある。その中で柿は熟柿と干柿が、祭礼の菓子として記述されている。また、単位も升と連であることから、粒は小さかったと推測される。 中国から渡来したとされる柿。原産地でも甘柿品種はほとんど無いことから、当時の柿は渋柿のみで、小粒だったと考えられる。
甘柿と渋柿には4分類ある
奥深い柿の世界
遺伝的には完全甘ガキは完全劣性のため、他の3分類と交配すると完全甘ガキにならない。また、完全甘ガキは暖地でだけ完全甘ガキになり、寒冷地では渋みが残るため、甘柿産地は東海以西だ。
分類 | 特徴 | 品種 |
---|---|---|
完全甘ガキ | 種の有無に関わらず甘柿になり、果肉には少量の褐斑が生じる | 御所、富有、次郎、伊豆など |
完全渋ガキ | 種の有無に関わらず渋柿になり、果肉には褐斑は生じない | 西条、愛宕、市田柿など |
不完全甘ガキ | 種が多いと甘柿になり、果肉には多量の褐斑が生じる。種が少ないと渋い部分が残る | 西村早生、禅寺丸、赤柿など |
不完全渋ガキ | 種の周りだけ褐斑が生じて脱渋するが、その範囲は狭く、基本渋柿になる | 平核無、甲州百目、会津身不知など |
全国のあらゆる柿の品種を
食べつくす!
現在栽培される多くの果物の品種の元は、明治以降に海外からもたらされたものであるのに対して、柿は8世紀から続く日本独自の果実と言っても過言ではない。
日本の気候風土に育まれ、神事や文化に組み込まれてきた柿。果実としてだけではなく、柿渋、葉・ヘタ・皮なども上手に利用する日本人は柿を愛してやまない。
上質な甘ガキ品種を作る品種改良と、渋ガキの脱渋技術の研究が相まって、日本は世界でも稀に見る、柿食文化を育んできたのだ。
干し柿だって多種多様だ。
九州なら熊本の葉隠、四国は愛媛の愛宕、中国は島根の西条や広島の祇園坊、近畿は奈良か和歌山の平核無、法蓮坊、アオソ、鶴の子など、東海は岐阜県の堂上蜂屋、北陸は富山・石川の最勝、三社、中部は長野の市田柿、関東は山梨県の甲州百目(蜂屋)、甲信越は新潟の平核無、東北は福島の甲州百目か平核無、といった代表的な干し柿品種がある。
柿を見直そう。だって日本人のソウルフルーツは柿なのだから。
11/11〜23出荷◇ 種なし完全甘柿『大玉 博多秋王(あきおう)』福岡県産 青秀 3〜5L 約1.5kg(4〜5玉)簡易箱 ※常温
3,980円(税込)
- 販売中 在庫数 63
- (株)食文化 大井出...