親鶏の出汁をとろう!
若鶏では出せない旨味で
極上のスープづくり
一般的に親鶏とは加齢により採卵効率が下がった雌鶏のこと。全ての動物と同様に、加齢により含水率が減り、骨・肉・筋は固くはなるものの、濃密な味がします。各家で鶏を飼っていた時代、日々、鶏は卵を産み、お祝いの席ではご馳走でした。鶏の命を余すことなく頂く!それを再現する企画です。
親鶏は卵を産む役目を終えた
長期飼育の鶏です
日本では約1億3,000万羽の採卵鶏がいます(※)。親鶏と呼ばれる採卵鶏は、まだまだ産卵もできて健康な状態でも、一般的に約1年半〜2年で経済的理由により役目を終えます。120日齢頃から徐々に産卵が始まるため、親鶏となると最長2.5歳。肉用に飼育されるブロイラーが40〜60日飼育であることと比べれば格段に長生きした鶏です。
※令和6年度版「畜産統計」
親鶏の肉は噛むほどに旨味が溢れます
親鶏は、骨や筋肉が成熟し、旨味の凝縮した肉を蓄えています。肉は硬いですが、噛むほどに旨味がにじみ出て、くせになるほど濃厚な味です。香川県の「骨付鶏」や宮崎県・鹿児島県の「鶏刺し」のように、親鶏を楽しむ文化が根付いている地域もあります。
肉は硬いが、若鶏では出せない旨味とコク
濃厚な旨味をもつ親鶏の肉は、地鶏を食べ慣れている方でも、驚くほど硬いと感じるはずです。そのため、料理に使うとなると、圧力鍋を使うか長時間煮込まないと食べるのは難しい肉です。しかし、若鶏では出せない旨味が詰まった親鶏は、2〜3時間煮るだけで、家の中が美味しい香りでいっぱいになるほど、濃い出汁がとれます。また余分な脂がないため、濃厚ながらすっきりとした極上の出汁がとれるのです。
代表萩原に聞きました!
出汁の取り方
4つのポイント
美味しい鶏出汁の取り方を食文化代表の萩原に聞きました。そのポイントを4つご紹介します。
【1】大きな鍋に
たっぷりのお湯を沸かすこと
まずは大きな鍋でお湯を沸かします。親鶏は解凍し、流水で毛や内臓の汚れを落としてから鍋に入れ、強火で再沸騰させます。
※今回の親鶏は、全形約30センチ、重さが約2キロあり、鍋に入りきらなかったので、途中で脚を付け根から外して入れました。また、肉にフォークで数カ所穴を開けると出汁をとりやすいです。
【2】灰汁をしっかりとること
再沸騰すると出る大量の灰汁を取りきって、火を弱めます。水面がふつふつした状態を維持しながら、丁寧に灰汁を取り続けます。血の固まりなどが含まれる灰汁は、臭味や雑味のない出汁をとるためにしっかりと取ります。
【3】スープが澄んできたら香味野菜を入れること
弱火で灰汁を取り続けると、出汁が徐々に澄んできます。そこで、香味野菜や香辛料を加え、弱火で炊き続けます。
【4】じっくり時間をかけること
沸かし始めからおよそ3時間で火を止めると、濃厚な香りが立ち上ります。肉はまだまだ硬く、煮続けると柔らかくはなりますが、鶏臭さが出るのでお好みに。時間をかけて取った出汁は旨味のベースとして、小分けして保存しておけば、様々な料理に活用できます。鶏出汁に、羅臼昆布、厚切りの鰹節・鯖節・煮干しの一番出汁を追加すれば、自家製のラーメンスープも楽しめます。塩か醤油がおすすめです。
萩原章史 男の料理「ラーメン」:
https://umai-mon.shokubunka.co.jp/blog/archives/44100
https://umai-mon.shokubunka.co.jp/blog/archives/36996
https://umai-mon.shokubunka.co.jp/blog/archives/45606
試して欲しい関西風の天津飯
濃厚な鶏出汁を使って、醤油餡たっぷりの「関西風の天津飯」を作りました。スープの旨味が濃いので塩味は控えめがおすすめです。シンプルな卵焼きで十分です、熱々の餡をかけて食べれば、やみつきになること間違いありません。
【親鶏の出汁をとろう!第一弾】
『あすなろ卵鶏』青森県産
田子たまご村「緑の一番星」の親鶏「あすなろ卵鶏」です。日齢は、およそ460日(飼育期間約5ヶ月半+採卵期間約10ヶ月)。出汁を使って、卵スープや天津飯はいかがでしょうか。
詳しくはこちら
【第二弾】2026.4〜販売予定
『東京うこっけい』東京都産
「東京うこっけい」は、原種烏骨鶏の中で採卵能力の高い個体を選抜し改良され、その卵は、東京ブランド畜産物に認定されています。日齢は、およそ480日(採卵期間360日+再肥育120日程度)。特別な日のスープにいかがでしょうか。
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【第三弾】
Coming Soon
文・前田朋子
撮影・八木澤芳彦



