Jam工房Eiko
Jam工房Eiko
トロピカルな香りが鮮烈です!
大庭英子さんの
グアバのジャム
西表島のアララガマ農園産の、農薬を使わずに栽培したグアバでつくっていただきました。

美しく、味わいも豊か!
「西表島にあるアララガマ農園から送っていただいたグアバは、鮮やかなピンク色のジャムになりました。甘くて爽やかな香りも素晴らしく、ぜひ、みなさまに召し上がっていただきたい、トロピカルな味わいです」と大庭英子さん。

南国を思わせる爽やかな香り
グアバは、甘くて爽やかな香りが素晴らしい、南国を代表するトロピカルフルーツです。味わいは桃とりんごをミックスしたような華やかさ。ビタミン類、食物繊維、ポリフェノールなどの栄養も豊富な嬉しい果実です。白肉種と赤肉種があり、今回は赤肉種を使いました。
「以前、白色や淡いピンク色のグアバでジャムをつくりましたが、香りも味も比較的淡白な仕上がりでした。今回の赤肉種のグアバは香りが強く、酸味も程よくて、秀逸なジャムになりました。色も素敵でしょ」と大庭英子さん。白い柔らかなパンを焼かずにバターとともにいただくと、グァバの個性が際立ちます。

これがグァバです。
日本のガラパゴスとも言われる沖縄県の西表島にあるアララガマ農園は、西表の大自然を活かした循環型農業で、主にピーチパインやマンゴーを栽培しています。今回は農薬を使わずに栽培したグアバを、特別に分けていただきました。収穫時期は年3回とのことですが、期間や数が不安定なため希少です。

美味しさは下ごしらえで
決まります。
「グアバは小さな種がたくさんあって可食部が少ない果実です。とくに美味しさが詰まっている、種の周りの果肉をどうやって使うかが課題でした」と大庭英子さん。試作を重ねて行き着いたのが、スプーンでくり抜いた種の部分をザルで濾し、種の周りを覆っている果肉だけを取り出すという技。「ちょっと面倒な作業ですが、味が凝縮しているこの部分の果肉を入れることで、格段に香りが良くなり、味わいが濃厚になります」。切り出した果肉と合わせてミキサーにかけ、もう一度ザルで漉します。舌ざわりがなめらかになるだけではなく、味わいが濃厚に仕上がるので、この手間は省けないとのこと。

時間をかけて煮詰めます。
濾したグアバは、重量の6割のグラニュー糖とレモン汁で煮詰めます。「グァバは水分量が多いので、なかなかとろみがつきません。銅鍋につきっきりでじっくり時間をかけて煮詰めます」と大庭英子さん。

サラダやオードブルにも。
グアバのジャムは、ヨーグルトにトッピングしたり、柔らかい白パンに塗って、グアバならではの香りと、華やかな味をお楽しみください。また、チーズと生ハムのサラダと合わせるのは大庭英子さんのお気に入り。
「チーズはブラータやフェタがおすすめです。チーズにジャムをとろりとたらし、オリーブオイルをサラダ全体に回しかけたら、仕上げに黒コショウをたっぷりと振ってください。生ハムの塩気、黒コショウの刺激が、グアバの風味を引き立ててくれます。暑い夏にぴったりの一品ですよ」。

希少な正統派ジャムです。
大庭英子さんのジャムは、いわゆる甘さ控えめのジャムではありません。「ジャムは、しっかりと甘くすることで自然なとろみが出ます。そして凝縮感のある濃厚な香りと味わいになります。これがジャムのおいしさです」と、大庭英子さんは力強く語ります。まさに本物。今や希少な正統派のジャムです。
「グアバのジャム」の他に、追加製造をお願いしてあった奈良の篤農家・青木実さん仁美さん夫妻による完熟いちごを使った「いちごジャム」と「夏みかんのマーマレード」もあります。
文・林麻実
撮影・天方晴子