Kocomo Natural Garden 岡山県勝央町
美しくて鮮烈な
生姜の風味で魅了します
モーリー・
クリスピンさんの
「生姜茶」と
「ジンジャーラテ」
自然農法で栽培した生姜をベースに、
梨と素焚糖だけで作った
「生姜茶=ジンジャー&ペアーコーディアル」と、
生姜と純黒糖だけで作った「ジンジャーラテの素」です。

自家栽培した
生姜で作りました。
今回ご紹介する「生姜茶」と「ジンジャーラテの素」は、鮮烈な生姜の風味を楽しめます。作ったのは、イギリス出身のモーリー・クリスピーさんと和美さん夫妻です。ご夫妻は岡山県の中国山脈の麓で「Kocomo Natural Garden」を主宰。農薬、化学肥料、除草剤などを使わずに、生姜、エルダー、さつま芋、米などを栽培しています。その生姜を生かし、材料を厳選した「生姜茶=ジンジャー&ペアーコーディアル」と「ジンジャーラテの素」なのです。

風味抜群の
「生姜茶」です。
モーリーさんの生姜茶の味わいは、美しい生姜の香りと、爽やかな生姜の辛味、そしてその奥にはやさしい梨の甘みが広がります。材料は自家栽培した生姜(品種は土佐一)、鳥取県産の梨(品種は新雪)、奄美大島産の「素焚糖(すだきとう)」だけ。水もスパイスも不使用の、純粋な3素材のハーモニーを楽しめます。
とくに生姜は、コールドプレスで搾り、エグ味の強い澱粉を沈殿させて取り除くという手間をかけているため、どぎつい辛味がなく、味も香りも実に美しいのです。お湯で割ると、その風味が際立ちます。夏は炭酸水で割れば、スカッと爽やかなドリンクになります。

ヨーグルトでも
楽しめます。
これが「生姜茶=ジンジャー&ペアーコーディアル」です。飲み物にする際は、4〜5倍に希釈して使います。紅茶に加えれば、美味しいジンジャーティーになります。ヨーグルトやパンケーキのシロップとしても楽しめます。

モーリーさんの
生姜畑です。
モーリーさんは、土壌消毒剤も使いません。連作障害を避けるため、前年に生姜を植えていない畑で生姜を栽培します。春に植え付け晩秋に収穫です。

生姜の品種は
「土佐一」です。
収穫後の生姜は、かつての鉱山の坑道を利用した貯蔵庫で「囲い生姜」としてじっくり熟成・保管されます。これにより、新生姜に比べて香りや辛味が際立ち、旨みがぎゅっと凝縮されます。その後、ひとつひとつ丁寧に手作業で洗浄し、生姜本来の風味と栄養を損なわないよう、自然のままの姿を活かして仕込んでいきます。生姜のすぐ下に豊富に含まれる「ジンゲロール」は、加熱によって「ショウガオール」へと変化し、身体を内側から温める成分として知られています。こうした有用成分を余すことなく引き出すことも、大切にしています。
さらに、えぐ味の原因となる澱粉を丁寧に沈殿・分離させることで、まろやかで香り高い味わいに仕上げています。

梨の主な品種は
「新雪」です。
新雪は、酸味がなく、さっぱりとしたやさしい甘みがあるため、生姜との相性が抜群です。日持ちがよく、囲い生姜を加工するタイミングにも合うこともあって選んだそうです。鳥取県産のものを使っています。

家族の健康が
きっかけです。
「きっかけは家族の健康を守りたいという気持ちでした。季節の変わり目に喉が痛むとき、体が冷え切ったとき、風邪のひき始めなど。台所で生姜をコトコト炊いて作ってきたものが始まりです」と和美さんは語ります。ですから砂糖は、奄美大島産の「素焚糖」という、精製度が低く、味にくどさのない、やさしい甘みの砂糖を使っているのです。

ジンジャーラテです。
牛乳に「ジンジャーラテの素」を注ぐだけで、きれいな生姜の風味、まろやかな口当たり、そして、コクのあるやさしい甘みが魅力のジンジャーラテができます。ジンジャーラテの素の材料は、自家栽培した生姜と、沖縄県多良間島産のミネラル分が豊富な「純黒糖」だけです。安心で美味しい砂糖を探している際にこの黒糖と出会い、牛乳との相性がいいことに気づき、ジンジャーラテの素を作ることを思いついたそうです。

リラックスできます。
これが「ジンジャーラテの素」です。ホットでもアイスでも美味しく楽しめます。「まろやかな口当たりで、体を芯から温めてくれるので、飲むとリラックスできますよ」とモーリー・クリスピンさん。牛乳や豆乳で割る際は5〜7倍に希釈するのが目安です。

黒糖は
多良間島産です。
使っている黒糖は、沖縄県多良間島産の純黒糖です。品質の高さと、牛乳との相性の良さからこの黒糖を選んだとのことです。

クセの無い
純黒糖です。
「沖縄県の黒糖は、島ごとに風味が異なります。なかでも多良間島の黒糖は、コクがありながらもクセが少なく、牛乳との相性が抜群です」と和美さん。

アイスクリームにも
おすすめ。
ミルクアイス、バニラアイス、さらにはパンケーキ、バタートーストにかけるのもおすすめです。
「料理にも使えます!」と和美さん。豚の生姜焼きや野菜炒めの仕上げに加えれば、風味豊かに。和美さんの最近のお気に入りは、焼きそばの隠し味。ソースを控えめにしてジンジャーラテの素を加えると、驚くほど味にコクが出るそうです。

モーリー・クリスピンさんです。
「“美味しくて、子どもが喜んで楽しめるものを届けながら、将来の世代のために土地を守り、育てていくこと”それが、私たちの商品づくりの原点です。安心して口にでき、身体にやさしいものを届けることはもちろん、自然の循環を尊重し、未来へつながる農業を日々実践しています。私たちにとって農業とは、単なる食料の生産ではありません。それは、土地への敬意、関心、そして感謝の気持ちをかたちにする営みです。自然の流れの中で大切に育まれた野菜や果物は、きっと“おいしい”と共感していただけるものになる。私たちは、そう信じています。」と、モーリー・クリスピンさんは語ります。
生姜茶はピリッとした辛味がありますが、牛乳で割る「ジンジャーラテ」は子供も楽しめるやさしい味わいです。使用する砂糖も、精製度の低い「素焚糖(すだきとう)」や「純黒糖」というミネラル豊富なものを選んでいます。
Kocomo Natural
Gardenでは、イギリス伝統のハーブであるエルダーの栽培も行っています。農薬などを使わずに育てた花と実を使い、「エルダーフラワーコーディアル」や「エルダーベリーコーディアル」などのシロップも手がけており、自然派志向の人々から高い支持を受けています。
文:町田成一(食文化)
画像提供:Kocomo Natural Garden