真夏に旬を迎える新品種米
新潟県「なつひめ」
生産者待望の高温耐性を持つお米が
2026年8月デビュー
昨今、取りざたされる「酷暑」
2023年はあまりの暑さで、新潟米の一等米比率が過去最低となり、各地でお米が不足する騒動が起こったことは記憶に新しいと思います。
そんな暑い日本の夏でも、美味しく育つ新品種米が2026年デビューいたします。
新潟県産「なつひめ」です。
当店では、この注目の品種をいち早く取り扱い、皆様にその魅力をお届けしたいと思います。
極早生米は小粒で味が薄いというイメージを払拭する。大粒で甘味がしっかりとあり、それでいて極早生米らしく後味はさっぱりと美味しい、素晴らしいお米です。
暑い気候でも生育しやすい“高温耐性”をもち、高い食味を誇る。これからの時代の生産者を支える一助になるであろう品種です。当店では現地を訪れ、生産者や産地の声を直接伺ってきました。
立派な稲が実っています!
訪れたのは8月6日。新潟を代表する品種こしひかりの刈り入れが始まるのがおおむね9月中旬ですので、それよりも1か月以上も前。そんな時期にも関わらず、目の前の稲穂はしっかりと登熟し黄金色を放ち始め、ずっしりと首を垂れる様子がそこにありました。生産者は「あと1週間もすれば収穫時だ」と言います。
こちらが、17年をかけて開発され、新潟県が県を挙げてお届けする新品種「なつひめ」です。
真夏に旬を迎える米「なつひめ」
なつひめは2009年(平成21年)に「東北192号」×「越南221号」を交配し、選抜育成を繰り返し17年をかけて開発された品種で、2026年(令和8年)にデビュー。品種名は新潟135号ですが、一般公募を経て「なつひめ」と名称が決まりました。
左:なつひめ 右:コシヒカリ の同日の様子です。このようになつひめは極早生米の特性を持ち、8月中〜下旬に収穫期を迎えます。
稲穂を比べても一目瞭然。身がしっかりと入り間もなく収穫を迎えるなつひめに対し、
同時期のコシヒカリは実が出始めたばかりでまだ成熟していません。
なつひめは高温耐性を持ち、酷暑でも高品質に仕上がり、生産者の収入も安定することも強みです。
猛暑・渇水が重なった2025年の試験栽培でも13か所中12か所で1等米、1カ所で2等米となり、暑さへの強さを示しました。(参考:新潟日報 2026/05/07)
さらに、食味も抜群で、8月という時期にいち早く美味しいお米を流通させることができるため、生産者も期待を寄せるお米です。
生産者の1人 池田さんに
お話を伺いました
米どころ新潟県長岡市、農業生産法人 有限会社 百笑会 の代表、池田 治さんです。
高齢で引退された方々の田んぼの一手に引き受け、70ha(東京ドーム約15個相当)という広大な耕作面積を組織の力で管理し、地域の米作りを守り抜いています。また、農業の働き方改革にもとりくみ、県から表彰を受けるなど活躍目覚ましい生産者です。池田さんもこの「なつひめ」に期待を寄せる一人。
2026年は耕作面積の実に10%をなつひめに転換。それだけ惚れ込んでいるという事なのです。
大粒で美味しく、育てやすいお米
池田さんは2025年の県の試験栽培に参加。その際はすべて一等米の評価が得られたと言います。特にその育てやすさを絶賛します。
なつひめは稲の背が低く茎が太い為、雨や風などの天候の影響を受けにくく、倒伏に強い品種です。また、根がしっかりと張るため生命力が高く、一般的には苗づくりをして田植え機で定植していきますが、なつひめは水を張った田んぼに直接種をまく、湛水直播でも高い定着率を誇ると言います。
また、一般的な品種は栄養を与えすぎると茎が伸びすぎる傾向がありますが、なつひめは背が伸びにくい為、栄養が稲穂に蓄積しやすく、味わいが良く大粒で、しっかりとした歯ごたえのお米に仕上がるのです。
歯ごたえと、お米らしい
旨味を楽しめます
粒揃いでシャキッとした炊き上がり。大粒で歯ごたえがある食感で食べ応えがあり、極早生米でありながら、お米の風味をしっかりと楽しむことができます。
そして、極早生らしい爽やかな後味を持つため、食べ続けても飽きの来ない美味しさです。
池田さんは特にその大粒と食感を活かして、おにぎりがおすすめだと言います。
ぜひ、新米の到来をおにぎりでお楽しみください。
産地の“今”に向き合った品種です。
担い手不足や気候変動により、生産者を取り巻く状況は大きく変化しています。取材日の気温は手元の温度計で38度(気象庁発表は33度)。作物だけでなく、農作業をする側にとっても非常に厳しい環境です。
農業という大切な一次産業を支え続けている方々にとって「育てやすい」というのはとても重要な要素です。
池田さんは『一年を通じてなつひめが愛されるお米になる。』そんな未来を夢見ています。
まだまだ生産量が少なく、8月のお米として流通するだけですが、美味しさや高温耐性という特徴が認知され、新潟米の一角を担えれば、生産者にとってもお客様にとっても、喜ばしい状況になるのではないか。そんな可能性のある品種だと話します。
これからの日本では、「美味しい」だけではなく「安定して作れる」ことも重要になります。なつひめは、その両方を目指した、新しい時代のお米なのかもしれません。
2026年、新潟県が送り出す、生産者も私たちも期待を込めるお米。
ぜひ、召し上がってください。
文、写真:ごはんソムリエ® 八尾 昌輝



